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出会いの素晴らしさ 人生を変える、きっかけをくれた「つどい」

私たち、あしなが学生募金事務局の局員の多くは、一般財団法人あしなが育英会から奨学金を借りています。そして、毎年春と秋に行う「あしなが学生募金」では、お預かりしたご寄付の2分の1を、日本国内遺児の奨学金として、あしなが育英会に寄付しています。
今日は、9月上旬に、山梨県の西湖畔で行われた、「大学・専門各種学校奨学生のつどい」に、議長団と呼ばれる、つどい全体のリーダー役として参加した学生から、レポートが届きましたので、お伝えします。

会場に掲げられた横断幕
会場に掲げられた横断幕

友人や先輩、学校の先生、恩師、様ざまな経験や出来事など。「出会えて良かった」と思える経験が、皆さんにもありますか?
私がそれを感じた1つが、高校1年生の時に参加したあしなが育英会のサマーキャンプ「つどい」でした。
はじめは、本当に怖くて行きたくなくて、何時間もバスの中で泣いていたのを覚えています。ですが、そこで出会った仲間と話したり、体を動かしたり、今の自分や過去と向き合ったり、未来について考えたり。”初めまして”だったはずの人たちと、最終日には抱き合って泣きながら別れを惜しむほどの関係になっていました。
もちろん、同じ経験なんて1つもないし、1人ひとり抱えている課題や置かれている環境も違うけれど、苦しかったのは自分だけじゃなかったと気づけたし、同じように頑張っている仲間の経験や言葉、決意を聞くことで励まされ、背中を押してもらったように感じます。今思えば、私にとってこのつどいは人生の方向転換をするきっかけでした。

今年は大学4年生、今回の「大学・専門各種学校奨学生のつどい」が、私にとっては最後でしたが、議長団として参加させていただけたこと、色々な立場から支えてくれた、総勢100名を超える学生スタッフの皆、職員の皆さん、視野を広げてくれた海外の方々、来てくれた参加者の子たち、そしてあしながさん。これまでの8年間自分を支えてくださった多くの方への想いと共に、本当に感謝の気持ちで胸が一杯になったつどいでした。
私が、つどいの中で大切にしているのは「出会い」です。つどいに参加して出会う仲間はもちろん、その仲間との会話や出来事、プログラムを通して得る経験やチャレンジ、いろいろな人の意見や言葉。その中で出会う新しい自分。そんな1つひとつの出会いの積み重ね、最終日には1人ひとりが日常に向けて決意をします。
班の代表や、議長団が決意を語るキャンプファイヤーは、つどいの醍醐味とも言えるプログラムの1つです。このつどいを通して感じたもの、将来の夢、過去の辛い経験、目指したい自分など、様ざまな想いがそこにはあります。前に立って決意を語るのは参加者の一部ですが、皆彼らの言葉をどこか自分に重ねながら聞いているからこそ、語り手にとっても聞き手にとっても、キャンプファイヤーは自分と向き合う時間ともいえるのかもしれません。私も、普段は向き合うことから逃げてしまいますが、この瞬間だけは火を見つめながら、亡くなった父を思い出します。そして、また一歩前に踏み出す誰かの決意を聞いて勇気をもらいます。「決意」をするって、ものすごく勇気がいる。簡単なことではないけれど、仲間と一緒だからこそ踏み出せる一歩がある。つどいが参加者にとって、そんなきっかけの1つになっていればと思います。

私にとって、残された学生生活は残り数か月です。卒業して新たな道を進むことに不安もあるし、寂しさもあります。だけど、このつどいで出会った仲間たちが、「いつもどこかで同じように頑張っているんだ」と思うと、励まされます。再会はできないかもしれない。でも、こんなにもたくさんの仲間が日本中に、世界にいるんだという事実が心の支えです。これは卒業したってこの先もずっと変わらない。これからもきっといろんな困難が待ち受けていると思うけど、支えてくれる仲間がいるから私は頑張れる。心の底から「出会えて良かった、ありがとう。」そんなふうに思える人がたくさんいることが、本当に誇りです。
(髙橋 茉莉奈)

日本国内の遺児、サブサハラ・アフリカ49か国の遺児を救う、第99回あしなが学生募金は、10月19日(土)・20日(日)・26日(土)・27日(日)に、全国約220の拠点にて実施いたします。
全国各地の街頭でお見かけの際は、皆さまの温かいご理解とご協力を、よろしくお願いいたします。