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遺児家庭の抱える問題

あしなが学生募金とは

【国内遺児の実態】

遺児が抱える経済的な問題

遺児家庭の平均収入は、全国平均の3分の1以下

2023年平均所得の図

2023 年度あしなが高校奨学金申請書(予約募集)を集計した結果、保護者の平均年間所得は 135 万 7,403 円で、前年の147 万 9132 円から 8.23%、12 万 1,729 円も下がっていることが分かりました。そこに昨今の物価高で、遺児家庭の窮状はますます深まっています。

申請者数は過去最多

在学募集も含めた 2023 年度の高校奨学金申請者数は、1988年制度発足以来最多の 2,629 人でした。その背景には生活苦の深刻化と、本年度から高校奨学金制度を貸与・給付一体型から全額給付型に変更したことにあります。また、申請者の親の所得の平均額が減少していることから、これまでは将来の返還が不安で「借り控え」していた低所得者層が、控えることなしに申請してきたのではないかと思われます。しかしながら、あしなが育英会は「全額給付型」によって支援を手厚くしたものの、申請者の予想以上の急増と資金難により、申請者の 55.6%(1461 人)を不採用にしなければならない状況でした。

遺児家庭保護者の平均年間所得の推移

高校奨学金申請書の声(申請理由)抜粋

大阪府 高 1 女子 保護者:母親(障がい)
両親が離婚して 3 年になります。精神疾患を患っている母は、仕事ができません。姉がアルバイトをして家計を助けてくれていますが、今年から塾代助成費や児童手当などがもらえなくなった他、父からの援助もない中、物価高騰の影響もあって、益々生活が圧迫されています。私には、大学へ進学して医療の勉強をするという夢がありますが、そのために必要な資金がありません。私もアルバイトを始める予定ですが、勉強に注ぐ時間を確保し、夢の実現に向けて頑張りたいと思っておりますので、ご支援いただけますと幸いです。

福島県 高 1 男子 病気死亡 保護者:祖父母
父母が離婚後、親権者だった母が脳出血のため死亡し、離婚前から、母の実家で同居していた祖父が、未成年後見人になり養護しております。祖父が平成 29 年 3 月頃から急にリウマチが、発症し、仕事ができない状態になり無職となりました。現在は、年金収入だけになり、食道がんや大腸がんになり、食道は陽子線治療を受けましたが、定期的に検査を受け、医療費がかかり年金だけの生活は大変ですので奨学金の申込みいたします。